地形図解説 ー地形・村落・都市ー/扇状地 養老山地山麓(岐阜)

解説
 扇状地は、山間部の岩盤を侵食・運搬した河川が、山地から平地へ流れ出る所に形成される。谷口から河川が分流し、土砂は扇形に堆積する。日本は急峻な山地が多いため、扇状地が非常に多い。
 岐阜県の養老山地山麓にみられる扇状地は、標高150m付近の扇頂から標高10m付近の扇端まで、東に向かって傾斜している。
 扇央では、川は表層水のみられない水無川となる場合が多く、伏流した水は扇端で湧き出す。扇状地の大部分を占める扇央は、水の確保が難しいために開発が遅れていたが、その後、畑や桑畑などに開発され、より収益性の高い果樹園などに切り替わっていった。一方、水の確保が容易だった扇端付近には早くから集落が立地し、水田が開かれてきた。洪水時の氾濫に備え、扇状地の川の流路を人工堤防などによって固定すると、土砂が河道に堆積し、天井川化する。この地図中の小倉谷でも、河道の下をくぐる鉄道や道路などのトンネルを3か所確認できることから、天井川が形成されていると判断できる。